WORK SHOP BOX
2020年-21年、コロナ禍。当たり前の日常が一変し、人と出会ったり、密な関わりを持つことから遠ざかる中、人々はどう過ごしていたのでしょう。私はもう日常と化してしまった、身近な人としか接さず、家と田んぼと職場というやや狭い範囲内の生活が当たり前になっています。
さて、このWORK SHOP BOXを考えたのは、まだ世の中にみんな今年死んでしまうのではないか、という緊張感があったころです。
行動範囲が狭まり、世界がいきなりこじんまりとした気がしました。
ブチブチっと人との関係性がちぎれたようでとても寂しかった。
だけど、オンラインのみでのワークショップは私の制作や生活と離れすぎていて…もう少し手触りのあるコミュニケーションをしたいと思い、このWORK SHOP BOXを作りました。
内容は、わたしが制作し続けてきたコラージュをバラバラにしたものを素材とし、箱詰めしたものをお渡ししもう一度再構成してもらい返送していただくという遠隔のコラージュワークショップです。
このワークショップボックスを通して出会えた繋がりもできました。
マスクをとった顔は知らないけれど、この文通のようなやりとりでとっても親しくなったような気がしています。
参加していただいた皆さま本当にありがとうございました。
コラージュが届くのが楽しみすぎて、ドキドキしながら郵便局から出た瞬間に封を破いていました。中から出てきた作品と対話するように、楽しみ、ときに悩みながら描かせてもらったことで、空虚な気持ちから解放されました。
私から発信した形や色が、いろんな人との関わりによって形を変え、帰ってきました。
今後、また私の絵の中に現れてくるのかな。楽しみです。
赤松 加奈
●WORK SHOP BOX -送っていただいたコラージュ-
●コラージュを元に描いた絵
●作り方解説動画
制作の手順
まずは、個展会場でWORK SHOP BOXをご購入ください。
箱の中に、私のコラージュがバラバラになった絵のパーツと、きれいな色の紙と、 プラスチックダンボールを入れています。
プラスチックダンボールの上に、絵のパーツや、きれいな色の紙を自由に切り貼りし、 新しい絵を作ってください。
○はさみで切っても手でちぎってもいいです。
○ふつうののりでつかない場合は箱の中の接着剤を使ってください。
○パーツはすべて使い切らなくてもいいです。
作品が出来上がったら
○箱に同封している封筒に入れて、6 月 30 日までにポストに投函してください。
○送っていただいたコラージュは美術館で展示します。
「赤松加奈展」
日時 2021 年 7 月 9 日( 金 )~ 10 月 3 日(日 )
場所 公益財団法人 喜多美術館
奈良県桜井市金屋 730
○今後の作品中にみなさんのコラージュが登場することがあるかもしれません。 ご了承ください。